デノミネーション

【第七版】p.1015
〔英語の denomination 〘=貨幣単位の呼び名〙にロシア語の denominatsiya〘=貨幣単位の呼び名の変更〙の意味を持たせた言い方〕(★以下略.)


【第八版】p.1015
「第七版」の説明に同じ。


【解説】
 これを読んでパッと理解できるだろうか。「ロシア語の…」以下がよくわからない。
次のように書き換えてはどうだろうか。


日本語の「デノミネーション」は二つの意味をもつ。
❶貨幣単位の呼称(英語の denomination から)
❷平価の切り下げ(英語の redenominationから )
日本語では❷の意味で使われることが多い。
ただし、❷は「リデノミネーション」と表記すべきであって、これ に「デノミネーション」の訳を当てているのは和製英語になる。


なお、見出しは【第七版】の「デノミ(ネーション)」に対し、【第八版】は「デノミネーション」とフル表記に変えている。しかし、短縮形「デノミ」を好む世代も多いので、【第七版】のままでもよさそうだ。

かんどうだき【関東煮き】

【第七版】312ページ
かんとうだき【関東煮き】〔関西方言〕おでん。また、おでんを砂糖・こしょうでこく味つけしたもの。関東煮(に)


【第八版】320ページ
かんとうだき【関東煮き・関東炊き】〔関西方言〕おでん。関東煮。かんとだき。


【解説】
 大きなちがいは第八版では「かんとだき」という読み方をつけたこと。「う」のあるなしでニュアンスがまったくちがう。そう、これこそが関西方言(大阪弁)なのだ。教科書的に「かんとうだき」と読んだら面白味もへちまもない。

おひざおくり【お膝送り】(p.195)

「順々にひざを動かして、座席をあけること。」
 典型的な東京ことばである。美しくて上品な語の典型として例に挙げられるが、関西ではまず使わない。理屈を言えば、膝を中心に体が動くというのか。尻を動かすことによって膝が動くのだ。膝を中心に体が動くのは足の不自由な「いざり」である。
しかし「お尻送り」は下品だから使わない。「もう少しお詰め願います」ぐらいでいいのでは。