まんちゅういん【満中陰】(p.1471)

まんちゅういん【満中陰】〔関西方言〕《仏》49日の忌(き)明け。
関西生まれで関西育ちの筆者にとって、「関西方言」という言い方はガツンと頭を叩かれたようだった。
そもそも「中陰」はサンスクリット語のantara(中間の)bhāva(生存状態)を翻訳したものである。インドの仏教においては、臨終の日(命日)を含めて7日ごと、7週に亘り法要を行っていた。満中陰とはそれが満ちた死後49日めのことを言う。これは標準語であってけっして関西方言ではない。ここは「関西ではその際『満中陰志』と言って香典返しをする風習がある。」ぐらいにしておけばよかった。こういった風習がない関東人の編集者はつい「方言」ということばを使ったのだろう。ちなみに、関西では「忌明け」は「きあけ」ではなく「いみあけ」という。喪の風習や読み方は地域によって微妙に異なる。