ーづらい【辛い】(p.988)

(造語)①…するのがつらい(例)「(暴言が)聞きづらい」「(老眼で)読みづらい」
②「にくい」(造語)の新しい言い方。(例)「(消えかかった文字が)読みづらい」
意味の境目が今一つわかりづらい(わかりにくい)説明だ。
これは「…するのが難しい」を表す「づらい」「にくい」「がたい」がすべて「づらい」に統合されたことばの枯渇現象だろう。「にくい(難い)」は「憎い」に通じるので嫌われたのか、「使いにくい」は「使いづらい」になった。「がたい(難い)」は漢語調なので避けられのか、「得がたい友」は「得づらい友」に取って代わられた。
 次は大手新聞の記事から。「がたい」が生きていたが、違和感を覚える。
「秋雨の冷たさにコートを着たかと思うと、翌日は汗ばむ陽気で半袖に戻る。この時期の天候は何とも読みがたい」
「読みがたい」は初めてお目にかかった。どうして素直に「読みにくい」と書けないのか。自信をもって日本語に対せよ、と言いたい。