ことばがり【言葉狩り】(p.524)

「特定のことばを悪いものとして、出版・放送などで使わないように圧力をかける〈使用を過剰にひかえる〉こと」
いつから放送禁止用語辞典ができたのだろう。対象となる語を一度でも使うと「それっ」とばかりこてんぱんに叩く。ひと昔前の文学作品にはそういったことばがいっぱいあった。それを出版する側は「今日では妥当性を欠くと思われる用語が含まれていますが、作品の趣旨をそこわないようにするため原文のまま記載しました」と自分とは無関係とばかり責任逃れをしている。どの語が対象語なのか読者にはさっぱりわからない。歌詞でも左翼から揚げ足を取られそうな部分は飛ばして歌わない。こんな国が他にあるだろうか。