ねんぱい【年配・年輩】(p.1164)

「年配」と「年輩」にはどんな違いがあるのだろうか。
「年輩」は漢籍にも見られる本来の表記で、年輩の人が好んで使う。
一方 「年配」はわが国における当て字で、中年という意味で広く使われているようだ。それならせんぱい【先輩】、こうはい【後輩】はなぜ「先配」「後配」と書かないのか。やはり当て字は重みがないからでしょう。

ーづらい【辛い】(p.988)

(造語)①…するのがつらい(例)「(暴言が)聞きづらい」「(老眼で)読みづらい」
②「にくい」(造語)の新しい言い方。(例)「(消えかかった文字が)読みづらい」
意味の境目が今一つわかりづらい(わかりにくい)説明だ。
これは「…するのが難しい」を表す「づらい」「にくい」「がたい」がすべて「づらい」に統合されたことばの枯渇現象だろう。「にくい(難い)」は「憎い」に通じるので嫌われたのか、「使いにくい」は「使いづらい」になった。「がたい(難い)」は漢語調なので避けられのか、「得がたい友」は「得づらい友」に取って代わられた。
 次は大手新聞の記事から。「がたい」が生きていたが、違和感を覚える。
「秋雨の冷たさにコートを着たかと思うと、翌日は汗ばむ陽気で半袖に戻る。この時期の天候は何とも読みがたい」
「読みがたい」は初めてお目にかかった。どうして素直に「読みにくい」と書けないのか。自信をもって日本語に対せよ、と言いたい。

ビブス【bibs】(p.1290)

「スポーツの練習試合などで着る、ランニングシャツ形などのゼッケン。ビブ」とある。サッカーファンならご存知だろう。しかしこれは「(赤ちゃん用の)よだれかけ」が原義だ。今はまだ知らない層も多いが、サッカー熱が上昇してくれば浸透してくるかもしれない。