てもとふにょい【手元不如意】 (p.1018)

「金欠」とはちょっと違う。金欠は持ち金がまったくないが、「手元不如意」は家に帰ればあるけれど今「手持ち金」がない状態だ。このことばには一概に老人語といって片付けられない味わいがある。

れる;られる (p.1626&1664)

最近「れる」「られる」の安易な使い方が気になる。敬語表現が乱れている。
筆者の体験談。旅行先で女性のバスガイドが「あまりお時間がありませんから、お昼は早めに食べられてください」とのたまった。こんな時は「召し上がる」を使ってほしい。
もう一つ。若いリポーターが年輩の人に「仕事は何をやられているのですか」と尋ねていた。「何をされて(なさって)いるのですか」と言えないものか。

せんたん【先端・尖端】(p.824)

「尖端技術」ということばが生まれたと思ったらあっという間に「先端技術」に取って代わられた。「尖」が常用漢字に入っていないという理由である。ところが、韓国語では日本語の「尖端技術」を直訳した「チョムダンギスル」が今も使われている。こちらのほうが先鋭な感じがするが。