まぎゃく【真逆】(p.1448)

〔俗〕まったくの逆。正反対。
このことばの響きに違和感を覚えるのは訓読みの「ま」と音読みの「ぎゃく」が混在しているからである。この言い方は某女性タレントが言い始めたのが広まったのか。今ではNHKのアナウンサーもふつうに使っているようだ。

トイレ、トイレット (p.1034)

ちょっと前まで使われていた「便所」はもはや死語になったのか。「トイレット」も長いので「トイレ」に吸収されてしまった。外来語に「お」をつける「おトイレ」や、人間だけでなく「犬のおトイレ」という使い方にも違和感を覚えなくなった。慣れは恐ろしい。日本語には「手洗い」「手水」「離れ」「後架」「ご不浄」「雪隠」「厠」「東司」「手水場」「憚り」「樋殿」「閑処」さらには英語の「レストルーム」「WC」といったさまざまな言い方があるのに、「トイレ」一本にしぼられてしまった。
ことばが枯渇していっているのではないか。

そうなんだ(p.841)

あいづちとして使われる「そうなんだ」は関東方言である。「へえ、そうなんだ」「ああ、そうなんだ」は「へえ、そう」「ああ、そう」でいいと思うが、流れに逆らうのはむずかしい。