さかて【逆手】(p.560);ぎゃくて【逆手】(p.350)

これらの使い分けは微妙だ。
NHK放送文化研究所のQ&Aを見ても「放送では、ひゆ的に言う場合に限って両方の読み方をしています」とだけあって違いがよくわからない。
「さかて」は「訓+訓」、「ぎゃくて」は「音+訓」なので前者のほうが筋が通っているようだが、ことばは理屈通りにはいかない。この勝負痛み分けか。

うちきる【打ち切る】(p.120)

〔残りをすてて〕おしまいにする「調査をー」
ふつうはこの意味で使い、これには何の異論もない。
ところが、テニスの試合を放送していた某テレビアナがこんな言い方をしていた。
「選手は苦しみながらも打ち切りました」
「打って打ってついに勝利を勝ち取った」という意味で使ったのだろうが、何かと「-切る」をつけたがる東京人のことばだろう。公共放送のアナウンサーにしてこの言語感覚には違和感が残る。

きざ【気障】(p.330)

「服装や態度にいやみがあるようす」
この説明には「言動」が抜けている。某辞書には「多くは服装や言動、態度が気取っていて不快感を与える」とある。『三国』が意図的に避けたとは思えないが…。
東京人の言動には「きざ」を感じることが多々ある。